労働の科学 労働科学 書籍・雑誌のご注文&ご案内 |
<ISL Paperbacks 4> <目次>→こちら |
![]() |
この本は人事、総務の皆さんのために書きました。 わが国でメンタルヘルスが問題になっているといっても、現場の管理職にとっては他人事です。うつ病が増えたとはいっても、診断書が出て1ヵ月以上休職する社員(職員)は全体の1〜2%です。圧倒的多数の管理職にとって、部下のメンタル休職は年賀はがきのクジに当たるようなもの。 でも皆さんは違いますね。人事、総務あるいは労働安全衛生に携わる方々にとって、当たる確率は高く、時には仕事のストレスともなります。社員300人の社で、もし30日以上心の病気で休む人が年間3名いたとすれば、それはみんな皆さんの肩に背負わされるのです。 筆者は講演などで「メンタルヘルスはどこでも悪化していますよ〜」と話しますが、役員や現場の管理職にとっては気の休まるコメントでしょうが、問題に直面している担当者にとってみれば、気休めの言葉にもならないでしょう。「私の仕事、何とかしてくれよ。ただでさえ忙しいんだ!これ以上仕事を増やさないで〜!」というのがホンネでしょう。 でも目の前の仕事をこなさなければならない。で、本(メンタルヘルス本は300種類近く出版されています)を読む。時には高いカネと時間をかけて、セミナーに参加する。でも、「どうもピンとこないな」とか、「理屈はわかるけど、わが社にはそんな予算や人材はナイよ」、あるいは「私ら、メンタル問題だけにかかわるヒマはないのだ」と、欲求不満を抱えて会社に戻る。そして、またまた休職の診断書が出て、今度は現場の管理職から「俺はどうすれば良いんだ?」と泣きつかれる。 「これは、やばいかも……」と思っても、役員クラスは関心はないか、あったフリはしても「君に任せた」というわけですが、例によって予算はほとんどつかない。 そりゃそうですよね、会社は利益を追求する場であって、リハビリセンターではないから。 でも、皆さんは日々仕事をこなさなければならない。中には、少数派でしょうが、「メンタル問題を自分のスキルアップにつなげよう」という先見の明のある方もおいでかもしれません。 そんな皆様のために、この本を書きました。できることから着手して、ご満足がえられるようなツール化、マニュアル化に努めたつもりです。特に、保健職のマンパワーが乏しく産業医が機能していない事業所で、メンタルヘルス対策が立てられるよう実用的に書きました。 〜「はじめに」より〜 ↑最上端へ | |
第1章 経営の視点からメンタルヘルスを考えよう! |